【目次】
・「孤独死」とは!?
・「孤独死」の捉え方はさまざま
・「成仏物件」での孤独死の定義
・「孤独死」と「孤立死」そしてアメリカの「自立死」
・「孤独死」のこれから

■「孤独死」とは!?

 孤独死とは、主に一人暮らしの方が、誰にも看取られること無く住居内で亡くなる事をいいます。死に至る原因はさまざまで、老衰で眠るように亡くなられる方もいれば、心臓発作や脳梗塞といった突発性の疾患で亡くなる方もいます。また、近年多いのが、セルフネグレクトと呼ばれる自己放任により亡くなる方も増えています。自分自身に関心がなくなり、食事や衛生面が疎かになったり、周囲とのコミュニケーションを取らなくなることで孤立し、さらには「自分なんかどうなっても良い」と投げやりになってしまうことで、孤独死や自殺に至ってしまいます。
 これは高齢者に限ったことではなく、40代・50代の一人暮らしの方にも当てはまり、体調が急変しても誰かに助けを求めることができず、亡くなってから発見(周囲が気づくまで)に時間がかかってしまうケースが多いのです。
 ここで一つお伝えしたいのが、「孤独死」という言葉には明確な定義がないのです。
法的定義もなく、警察による死因統計上は変死として扱われています。

■「孤独死」の捉え方はさまざま

 先にも述べたとおり、「孤独死」には、明確な定義はありません。そのため、各団体、各個人によって「孤独死」への解釈がさまざまであると言えます。
事例を紹介したいと思います。

・新宿区の場合(平成18年11月16日高齢者保健福祉推進協議会資料より)

孤独死対策の検討に先立ち、区が孤独死対策を講ずべき対象者を「二週間毎程度 に見守る者がいない、独居又は高齢者のみ世帯の高齢者」としました。

平成18年11月16日 高齢者保健福祉推進協議会資料

・日本女子大学教授:岩田正美氏

すでに社会的関係が絶たれていて、その結果誰も気づかず、死後かなりたって から、第三者に発見された場合

ひとり 誰にも看 取られず/NHKスペシャル取材班他

など、定義は様々ありますが、孤独である状態の解釈と発見までの期間が要点となるようです。

■「成仏物件」での孤独死の定義

 今まで説明したとおり、孤独死の定義が曖昧であることにより不動産の流通に支障が生じる場合があります。
 そこで成仏不動産では、円滑に不動産を流通させるため、孤独死について2つの区分を設けました。

それは、発見が72時間以内である孤独死と、発見が72時間以上の孤独死です。


 72という数字を用いた理由は、孤独死の現場で清掃を行う特殊清掃業者と呼ばれる方々からヒヤリングをした結果によります。季節や亡くなった場所にもよりますが、おおよそ亡くなってから72時間を経過すると、人間の体には様々な異変が生じ始めるそうで、建物への影響も出始めるとのことでした。
 実際に私達も孤独死の現場に立ち会ったことがありますが、72時間を経過しているかしていないかでご遺体と建物の状態は違うなと感じています。

■ 「孤独死」と「孤立死」そしてアメリカの「自立死」

 行政では「孤独死」ではなく「孤立死」という名称で表現されています。
その名称の由来の説明としてこんな報告書があります。

今後「孤立生活」が一般的なものとなる中で、人の尊厳を傷つけるような悲惨な「孤立死」(つまり、社会から「孤立」した結果、死後、長期間放置されるような「孤立死」。)が発生しないようにする必要がある。

「高齢者等が一人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進会議」

【出典】(「孤立死」ゼロを目指して)報告書

 また、「孤独死」の類似語に下記のような似た言葉が多くあります。

「孤独死」・・・・・『社会から「孤立」した結果、死後、長期間放置されるような「孤立死」』
「独居死」・・・・・「一人暮らしではあっても肉親や社会との交流のある人が、心臓発作などによって
            誰にも看取られずにすること」(額田勲氏)
「無縁死」・・・・・「ひとり孤独に亡くなり引き取り手のない死」(無縁社会/文藝春秋)
「行旅死亡人」・・・「住所、居所、もしくは氏名が知れず、かつ(遺体の)引き取り者なき死亡人と
            みなす。」(行旅病人および行旅死亡人取扱法、第一条第二項)

どの言葉にも、悲しい響きがあることは間違いありません。

 一方で、アメリカでは「自立死」という言葉が使用されているようです。
日本では前述のように、孤独死が多発していますが、米国ではそのようなケースはほとんど聞かないそうです。同じ一人暮らしをしているのに、米国では孤独感や寂しさとは無縁の生活を送り、自立したまま死んでいく。一人で亡くなったとしても数時間や半日以内には誰かに発見してもらえるシステムがアメリカにはあるようです。

■「孤独死」のこれから

 これだけの「孤独死」がある日本ですが、今後どのように対策していくか考えていく必要がありそうです。今日、様々な業界で「孤独死」に関するセミナーが開催されていますが、私たち不動産業界でも年々増加するこの問題は重要視されており、例えばマンションに設置する一人暮らしの高齢者の方を見守るサービスなどが売り出され、大家さん向けには保険商品も販売されています。各自治体によっても様々なサービスがあります。
 「孤独死」は決して幸せな最期ではありません。
 成仏不動産だからできることは何か?このことも私たちの今後の課題の一つです。