事故物件の売却:買取か仲介か?1円でも高く売る方法を解説
2023年6月24日
所有する事故物件を「できるだけ高く売りたい!」と考えたとき、買取と仲介のどちらを選ぶべきでしょうか。
この記事では、事故物件をよりよい条件で売却するとき、不動産買取と不動産仲介のどちらを選ぶべきかを解説します。
事故物件の売却を成功させるヒントを見つけましょう。
事故物件売却:買取と仲介の選択
不動産売却方法は大きく分けて「買取」と「仲介」があります。両者の違いやメリット・デメリットを理解し、事故物件を効率よく売却する選択をしましょう。
「不動産買取」は売主と不動産会社が直接取引します。この方式のメリットは、事故物件を迅速に現金化できることです。また、特殊清掃やリフォームなど、所有者として必要な手間を買取業者が引き受ける点も大きな利点です。ただし、買取業者がこれらのコストを計算し買取価格に反映するため、仲介よりも価格が低くなる傾向にあります。
一方、「不動産仲介」は不動産会社が売主と買主の間をつなぐ役割を果たします。価格の自由度が高く、適切な価格で売却できれば、買取より高額な売却価格を期待できます。しかし、事故物件の特性から買い手が見つかりづらく、価格交渉や特殊清掃などの手間も売主が負う必要があります。
結局のところ、売却方法の選択はあなたの状況やニーズによります。スピーディな売却を求めるなら「買取」、高額売却を希望するなら「仲介」が適していると言えます。
なぜ買取がおすすめか
不動産買取は、その即時性と安心感から多くの売主に選ばれています。その理由は、買取は購入者を探す手間がなく、売却後のリスクも少ないからです。その他のメリットについても見ていきましょう。
1.即時買取と買取保証の選択肢がある
不動産買取は「即時買取」と「買取保証」の2種類があります。「即時買取」は1週間程で売却可能な一方、「買取保証」は一定期間売れなければ不動産会社が買取る仕組みです。ご自身のご事情に合わせた契約が可能です。
2.買取なら購入者を探す手間が不要
仲介売却では購入者を見つけるまで時間がかかる場合があります。しかし、買取では不動産会社が直接買い取るため、手間が省けます。
3.値下げ交渉から解放
買取の場合、査定額が買取価格になるので、購入希望者による値下げ交渉を受けることはありません。これは安心感をもたらすでしょう。
4.速やかに売却可能
買取は不動産会社が買い手となり、最短で2〜3日ほどで売却できることもあります。売却に関する手続きも簡素化されます。
5.仲介手数料がかからない
直接の売却の場合、仲介手数料は不要です。これによりコストの削減が可能となります。
6.売却後のトラブルへの対応が不要
買取では契約不適合責任の問題が少なく、売却後に瑕疵が見つかっても売主が責任を負うことはありません。
これらの理由から、不動産買取は売主にとってメリットが多い方法です。ご自身の事情に合わせて是非検討してみてください。
事故物件を高く買い取ってくれる不動産会社の3つの特徴
結論、リフォーム技術、流通経路、担当者の対応力が重要になってきます。これらの要素を持つ不動産会社の選択は、優れた取引を実現してくれるでしょう。それぞれを詳しく見ていきます。
1.リフォーム技術
事故物件を高価で取り扱う会社の一つの特徴は、リフォーム技術を有していることです。解体ではなくリフォームを選択することで、解体費用を節約し、高い買取価格を期待できます。自社でリフォーム可能な会社は、コストを抑えられるのでさらに買取金額が上がる可能性があります。
2.流通経路
事故物件に特化した流通経路を持つ会社は、再販する経路があるため、高価な取引を可能にします。独自の再販流通経路、例えば国内外の投資家や証券会社とのネットワークを持つ会社は、通常の不動産会社より高い査定額を提示することが多いです。
3.担当者の対応力
会社の持つ仕組みや制度は大切ですが、担当者の対応力も売却成功に影響します。「物件の良い点を見つけ出す」「改善策を提案する」といった対応力を持つ担当者を選びましょう。
これらのポイントを踏まえて不動産会社を選ぶことが、事故物件の高価買取の鍵となります。しっかりチェックしておきましょう。
事故物件を高価売却する手法
事故物件を高価に売却するためには、以下のような点も考慮が必要です。状況に合わせて、しっかりとポイントを抑えておきましょう。
1.事故の跡を消す
事故物件は事故や事件の跡が残っている場合があります。これがそのまま残っていると、買い手からは否定的なイメージを与え、査定価格が下がる可能性があります。そのため、清掃やリフォームなどを行い、明るい印象を与えるように努めましょう。
2.更地にする
更地にすることで、一部の買い手は過去の事故を気にしなくなるかもしれません。しかし、解体費用や固定資産税の上昇等も考慮する必要があります。もし買い手が見つからなかった場合、経済的なリスクを背負う可能性もあるので、注意が必要です。
3.期間を置く
事故物件の心理的瑕疵を軽減するためには、一定の期間を置くと良いでしょう。期間を置くことで、買い手のネガティブな感情を和らげ、価格を上げる可能性があります。ただし、具体的な期間は事件や事故の程度により異なるため、不動産業者との相談が必要です。
4.駐車場にする
更地にする際に駐車場にすることも検討しましょう。駐車場やコインパーキングへの変更は、事故物件があったとしても売れやすくする可能性があります。査定価格は立地条件が優先されるため、立地が良ければ高額で取引できるかもしれません。ただし、エリア内に他の駐車場がある場合は評価が下がることもあるので注意が必要です。
事故物件売却時に起こりうるトラブルと対処法
事故物件の売却はトラブルが起こりやすいです。特に、告知義務を果たさずに売却後に買主から訴えられるリスクがあります。
例えば、20年前に自殺があった物件を購入者に告げずに売却した場合、仲介者は訴えられることになります。これは、重要な事項を説明する義務があるためです。事故が何年前であろうと、事実は買主に明示する必要があります。
別の例では、17年前に火災があった土地を売った場合、売主と仲介者が告知していなかった事実を知らなかったため、裁判所は責任はないと結論づけました。
これらの事例から、事故物件を売買する際は、売主や仲介者が事故の事実を知っているか、そしてそれを説明したかどうかが重要となります。
事故物件の「告知義務」とは、事故物件を売買する際、物件の瑕疵を告知する責任を指します。しかし、自然死など特殊な状況では告知義務は課されません。
これらの告知義務に関するトラブルは頻発しているため、情報収集を怠らないようにしましょう。
まとめ
事故物件の売却を考える際、「買取」か「仲介」かで悩む方も多いでしょう。
全体的に見ると、買取がより有利かもしれません。最大の利益を追求するならば仲介が適していますが、買取は売却に必要な費用を相殺し、結果的に得られる利益は似たり寄ったりとなる可能性があります。
しかし、重要なのは事故物件の売却が買主にとっても売主にとっても満足のいくものであることです。「即時買取」と「買取保証」の選択には注意が必要です。
事故物件になった場合、売却を諦める方もいらっしゃるでしょう。だからといって、事故物件の売却に豊富な経験を持つ不動産会社に依頼すれば、思っていた以上にスムーズに、そして希望通りに売却できるかもしれません。
「事故物件」と一言で諦めず、プロの意見を求めることが重要です。不動産の売却には知識と経験が必要ですが、事故物件の売却にはそれがさらに重要となります。この記事があなたの事故物件売却の参考になれば幸いです。