お電話での無料相談 0120-917-974 受付時間/9:00〜20:00 定休日/水曜日 他社との比較などまずはこちら 安心の無料査定 メール24時間365日対応 お手軽に相談したい方 安心の無料査定 ライン24時間365日対応
MENU CLOSE
事故物件買取・売却

Part1/3 終活の中の生前整理

2024年4月1日



終活とは?

終活の定義

ここ数年よく聞く言葉になった「終活」。
人生の終わりの為の活動という意味があり、私が属している「一般社団法人 終活カウンセラー協会」によると、人生の終焉を考えることを通じて、自分を見つめ、今をより良く自分らしく生きる活動と定義されています。
さらにかみ砕いて言えば、年齢は関係なくこれからの人生をよりよく生きていくための準備ということになります。
最近では30代、40代から終活を考える方も増えています。
またお歳を召したご本人や子供たちだけでなく、ご親類などと一緒に取り組んだりする方もいらっしゃったり、子供たちの方から親御さんに終活を始めるようアプローチしてスタートする場合もあります。

終活は「死」を前提とした後ろ向きの活動ではなく、これからの人生をより良く生きようとする前向きな取り組みです。
また、一般的にイメージされる相続や財産分与等だけでなく、自分の今後の生き方を見つめてみようという取り組みでもあります。

「終活」「生前整理」というお話をすると、必ず「私はそんなに資産がないから大丈夫」とおっしゃる方がおられますが、実は家庭裁判所で争われる親族間の遺産相続に関する争議のうち、約1/3が1,000万円以下の案件です。
資産が少なく「何も決めていなかったからこそ」起こる事が多いので、遺族を争わせないためにもきちんと自分の意思表示をしておくことが大事です。

終活の始め方

終活とは「今」の自分をしっかりと見つめ、今後どうやって生きていくかを考える事でもあります。
決してお葬式やお墓、相続のことだけを考えるというものではありません。
資産の整理だけでなく、人間関係含め目標や計画を立てて自分らしく生きていこうというのが終活です。

終活を始めるにあたり何も難しく考える事はありません
一般的には「エンディングノート」を手に入れて、そのなかの項目に記入していくことで、色々と決めていくというスタイルが多いでしょう。
エンディングノートは、市販されている物や各種団体発行の物などさまざまです。
中には百均で売っていたり、インターネット上で無料ダウンロードができたりするものもあります。
まずは、気軽に入手できるものから始めてみて必要性を感じたらもっと専門的な物に、という形でいいかと思います。

さらに言えば、エンディングノートを取り入れなくても自分自身で今抱えている案件やその理想の解決方法、今後の課題やこれからやってみたいことなどを書き出していくだけでいいのです。
しかし、自分自身で思いつく分だけだと範囲が限られてしまいます。
本来考えなければならないものの中には、思いもよらない項目があったり、角度の違うアプローチがあったり、専門家に相談しないといけないケースがあったりします。
それらを漏れなく質問形式で書き出してあるのがエンディングノートです。高価なものでなくていいので、利用してみると取り組みやすいかと思います。

別に採点されるわけでもありませんし、全部を埋める必要もありません。
それらを記入しながら「ああ、こんなことがあった」とか、今後の生活をおくる上で気づきがあればラッキーという程度に気楽に始められたらいいと思います。

終活の始め方2

エンディングノートには本当に様々な項目があります。
お金にまつわる事だけでなく「会っておきたい人、伝えたいこと」や「やりたいこと」などを具体的に書き出す項目が多くあります。
頭の中で思っているだけでなく、紙に書き出す事で具体化し、やりたい事、やっておく事が明確になります。
またエンディングノートの中には、それぞれの項目ごとに困ったらこういったところへご相談を、という案内がついているものもありますので、段階ごとにやっていけば安心して進められます。

終活を進める上で大事なことは、日々の生活で漠然とした思い、気付かなかったことを書き出していくことです。
それによって、これからの生活を充実させるためのヒントに気づき、また目標を明確にすることで真摯に向き合っていくきっかけになるでしょう。

物や資産は残して引き継いでほしいのか、寄贈するのか、処分していいのかなどを決めておくことで、遺品整理等がスムーズにいきます。
まだこれからやりたい事なども書き出して優先順位を決めていけば、それらの目標を達成する為に何を始めればいいのかが分かり、この先もよりよい人生を送る事ができます。

自分自身の人生をより充実させ、残される人に迷惑をかけない事を目標として取り組むのが終活で、これは年を取ってからだけでなく人生のどの時点で取り組んでも、今後の人生をよりよくさせてくれる素敵な取り組みです。

遺言って実は難しい

いざ終活を始めるとなったときに「遺言で残せばいいですか?」と質問される方がいらっしゃいます。
もちろんエンディングノートだけでは法的効果はないので、遺言で残す事は非常にいいことですが、実は遺言には非常に難しい法的規定があり、本人が自筆で書いただけでは効果が認められない場合があります。
また、遺言書の開封にもルールがあり、見つけた人がその場で開封してしまったら無効になってしまうというケースもあります。

エンディングノートなどで自分の生前整理を始めたら、最終的には弁護士等に依頼して公的効力のある遺言書にしたり、公証役場で公正証書遺言にしたりすることで後々のトラブルを避けられます。
終活の大きな目的の中には、自身の今後を考えるのと同じぐらい重要な事として、「残された人に迷惑をかけない」ということがありますので、これをきっかけに取り組めばいいかと思います。
自分の趣味や、関わりのあった団体などへの今後の処遇など、あらゆる「こうしてほしいな」を残す事はとても大切です。

また、単にお金や物を残したいな、と思っても事例によっては相続税や贈与税が発生することがあります。
そういったことを避けたり、少しでも国に払うお金を減らしたりする方法はありますので、準備をしておきましょう。
私の知人の例では、季節ごとに交流がある程度の遠縁の親族の方がなくなった際、法的な相続人がおらず、急な心筋梗塞ということもあり終活もまだされてなかったので、コツコツと貯蓄されていた数千万円の財産は葬儀などの直接的な費用を除き、遠縁の者には相続が認められずに国庫に引き上げられてしまったという事もありました。
こういうこともありますので、事前に準備してそれをしっかりと示しておくということは非常に重要です。

生前整理とは?



生前整理を始めてみよう

その終活の中でも、遺族が戸惑ったり揉め事になったりしなないようにと、自分が健康なうちに資産を中心にいろいろなものをどう扱うか決めておくことが「生前整理」です。
これは貴金属などの動産整理や、所有する不動産の事だけではありません。
現在の趣味や、生き方にまつわるものまであてはまります。
そういったものを残すのか処分していいのか、
特定の人や団体に譲ってほしいのか
などを決めましょう。


これらをなんの意思表示も無いまま残すと、遺族間での揉め事になったり、価値のある物が廃棄されてしまったり、または望まない処分がされてしまったりする可能性があります。
健康で自分の意思をはっきりと表明できるうちに、そういうものの扱い方を明らかにしておくようにしましょう。
今すぐの事だけでなく、将来的にどうしてほしいかを明らかにしておくことで、万が一の際に遺族、友人になるべく迷惑がかからないようにできます。

例えば、所有する財産の現在の価値をしっかりと把握し、相続税の問題や分与が公平になるように考えたり、残すよりは現金にして今後の自分の人生に活用したり、と考えるのが生前整理のスタートです。
「整理」とついているので、すぐに処分をイメージするかもしれませんが、この「現在の価値を把握する」というのは非常に重要です。
思いかけず購入時より価値が高騰して相続税が発生したり、逆に購入時は高価だったので、何かの時にと思っていたものが現在では価値が下がっていたりということもあります。
生前整理を始める時は現在の価値を知るというのは非常に重要な事です。

生前整理の中の動産整理

私は京都で70年続く質屋の三代目として、「終活」という言葉が流行る前から遺品整理や相続分配の事で故人の動産整理に携わる機会が多くありました。
特に現在の本業であるブランド品や貴金属、時計買取の現場においても、個人だけでなく身内をなくされた遺族の方、弁護士、税理士からの依頼で動産価値の算定や買取をおこなってきました。
「物」というのは、基本的に購入後年数を経るごとに価値が下がってしまいます
しかし最近では、高級腕時計相場が高騰したり、金の価格が高騰したり、逆に時代の流れでかつては資産的にも価値があった毛皮や着物の中古価格が下落したりということがあります。
そういった物の現在の価値をしっかりと把握し、必要がなければ処分することで、現金に換えて自分の将来に役立てたり、残す場合もそれぞれの市場価値を把握して的確に残していったりすることが重要となります。
またひとつの例では、故人が生前に趣味として集めていたアンティークの時計が現在では非常に価値のあるものとなっていたが、遺族が何も知らず単なる片付け業者に依頼して安価で処分されてしまったという事もあります。

生前整理のメリット

生前整理には大きなメリットがいくつかあります。
まずは「処分」するとなれば幾ばくかの現金が手元に入りますので、自分の将来に有効に使えます。
もちろん相続することも大事ですが、自分が働いて手に入れたものを今処分して、今後に役立てるということは非常にメリットとなります。
もちろん現金で残すなら分配も間違いなくできますし、子供さんやお孫さんの
教育資金として譲渡すれば、税金がかからないという事例もあります
ので早めに決断することは有効です。

また自宅をバリアフリーにリフォームする資金にしたり、よりよい施設への入居の資金にしたりという使い道もありますので、やはり現金にするというのは一番便利な方法でしょう。
また、最近では金相場が高騰しているので、ご高齢の方が若い時に貯蓄がわりに買っておいた金のインゴットを換金に来られる例が非常に増えております。
それを元手にご夫婦やご家族で旅行する、という話を聞いたときは私も嬉しくなりました。

また今売らなくても現在の価値をしっかりと把握しておくことで、相続に関して不公平感がなくなったり、価値を知らない人にそのまま処分されてしまったりする事が避けられます。

生前整理の例

以前、若いころに買った舶来の高級時計や、奥様の宝石類を売りに来ていただいたご高齢のご夫婦がおられました。
時計に関しては、古い物なので「値段がつくかなぁ」という感じだったのですが、今でも人気のメーカーのものということで想定外の高値での買取となりました。
また、奥様の宝石類は金の高騰もあり、ご夫婦が想像していた以上の価格となりました。

お二人はこの思わぬボーナスでいつも「もう一度行きたいね」と二人でお話ししていた新婚旅行の場所へまた行ける、と喜んで頂けました。

また別の方のケースでは、奥様の豪華な着物や毛皮を売って息子さん家族と同居の為のリフォームの足しにしたいということでしたが、現在の着物や毛皮の中古買取相場は芳しくなく、想像されていたより少額での買取となってしまいました。
残念がってはおられましたが、早めに気付いた事で計画の変更もスムーズにおこなえたと仰っていました。

物の価値というのは時代によって大きく変動します。
上記の例にもあった毛皮などは、現在においては動物愛護の観点やより軽く暖かい素材の防寒着の出現などで、現在では需要が少なく、着物に関しても着用する人の減少やレンタルの増加で需要が減少しています。
また、宝石類なども一般の宝石店で購入したものなどは、売られている価格と買取の価格で大きな乖離があるのが普通です。
実際多くの方が売ろうとしたときに、ショックを受ける事があります。(この宝石の価格についてはまた別の機会に・・・)

生前整理まとめ

今回は終活全体とその中の生前整理についてお話しました。
まずは、目的である「今の自分を見つめて将来を考える」ということを始める為に、「自分の意思をはっきりと示す」ことが重要であるとお伝えしました。
そのアプローチは沢山の方法があり、人それぞれが自由に始めればいいのですが、もっともオーソドックスなアプローチとしてエンディングノートをご紹介しました。
また、動産・不動産の整理については現状の価値をしっかりと把握し、そしてそれらの価値算定はプロに依頼するのが重要という事をご理解いただけたかと思います。

次回以降は終活の中で起こる様々なトラブルの事例などを紹介しながら、もう少しお話しできればと思います。

執筆者情報



 

名前 疋田 忠(ひきだ ただし)
会社名 有限会社 疋田 (ブランド買取MARUKA
役職 代表取締役社長
保有資格 終活カウンセラー協会 上級カウンセラー
遺品整理士
C.G.J.宝石鑑定士
宅地建物取引士

京都で昭和28年に創業された質舗マルカの三代目として現在ブランド買取店MARUKAを京都・東京で運営する有限会社 疋田の代表取締役社長。

自身も店頭に立ち買取をおこなうだけでなく積極的に終活・生前整理のセミナー、イベント等で講師としても活動。自社開催の講演会などもおこない積極的に「失敗しない生前整理」の啓もう活動に努めています。

 

事故物件のお役立ちコラム一覧に戻る
かんたん30秒!今すぐ無料査定を依頼する