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コラム - 事故物件買取・売却

孤独死があったマンションを売却する方法は?事故物件の基準や告知義務について解説

投稿日 最終更新日

売却予定の区分マンション

マンションで孤独死が発生すると、「部屋を売却できないかもしれない」と不安になる方は多いでしょう。

結論から言うと、事故物件でも売却は可能です。

ただし、事故物件としての扱いや告知義務、価格への影響など、事前に知っておくべきポイントがあります。

特にマンションは区分所有のため、戸建てとは異なるリスクや注意点をしっかり理解しておく必要があります。

今回は、売却の可否から価格下落の目安、具体的な売却方法までを簡潔に解説します。

孤独死が発生したマンションをスムーズに手放すためのポイントを押さえていきましょう。

マンションで孤独死があっても売却は可能?

死亡届を記入する人

マンションで孤独死が発生しても、売却自体は可能です。法律上、「孤独死があった物件を売買してはいけない」といった制限はありません。

ただし、多くの場合は心理的瑕疵(いわゆる事故物件)として扱われるため、通常の物件に比べて価格が下がる可能性や、購入希望者が限定されるといった影響は避けられません。

また、発見までの期間や室内の状況によっても、売却の難易度が大きく変わります。

とはいえ、適切に対応すれば売却は十分に現実的です。室内の状態が良くない場合でも、特殊清掃やリフォームで状態を整えたり、事故物件に理解のある購入層や買取業者を選んだりすることで、スムーズに取引できるケースも少なくありません。

重要なのは、状況に応じた正しい対応と事前の情報整理で、特に心理的瑕疵については正しく理解しておく必要があります。詳しくは「心理的瑕疵とは?具体例と判断基準をわかりやすく解説」で解説しているので、マンションオーナーの方はぜひ一度目を通してみてください。

戸建てと何が違う?マンション特有の売却リスク

戸建てとマンションの売却リスクを比較するイメージ

マンションで孤独死が発生した場合、戸建てと比べて売却時のリスクがやや複雑になります。これは、マンション特有の「区分所有」という仕組みや、同じ建物内に複数の居住者がいることが大きく関係しています。

まずは、マンションならではの主なリスクについて見ていきましょう。

区分所有という構造上の問題

マンションは「区分所有」で成り立っています。区分所有とは、個別の専有部分(部屋)と共有部分(廊下やエントランスなど)で構成されている建物の形態です。

孤独死など1室だけの問題であっても、建物全体の印象に影響しやすいのが特徴で、戸建てのように完全に独立していないため、孤独死の発生が同じ建物内の評価に波及する可能性があります。

また、管理規約や管理組合との関係も無視できません。

売却時には、こうした共有ルールや周囲との関係性も踏まえた対応が求められます。

同じ建物内の住民への心理的影響

マンションでは、同じ建物内に多くの住民が暮らしているため、孤独死の発生が周囲に心理的な影響を与えやすい傾向があります。特に同フロアや上下階の住民にとっては、不安や抵抗感につながるケースも少なくありません。

こうした心理的影響は口コミや評判として広がる可能性があり、結果的に売却時の印象や買い手の反応に影響を与える要因となる場合があります。

価格が周辺住戸に波及する可能性

孤独死のようなケースは、建物全体のイメージ低下につながり、周辺住戸の売却価格や賃料にも影響する場合があります。

そのため、自室だけでなく「マンション全体の評価」が意識されやすく、結果として売却価格に影響が出る可能性があります。

孤独死は事故物件に該当する?マンションの場合の判断基準

ガイドラインブック

孤独死が発生した場合、「事故物件に該当するのか」は気になるポイントですが、すべてのケースで一律に判断されるわけではありません。マンションの場合も、発生場所や状況によって扱いが異なります。

ここでは、事故物件とみなされるかどうかの主な判断基準を見ていきましょう。

室内で発生した場合

専有部分である室内で孤独死が発生した場合は、一般的に心理的瑕疵のある物件、いわゆる事故物件として扱われる可能性が高くなります。

特に発見までに時間がかかり、特殊清掃や大規模な原状回復が必要となったケースでは、その傾向が強まります。

この場合、売却時には買主への告知が必要となるのが基本であり、価格や購入希望者の範囲にも影響が出る点を理解しておく必要があります。

関連記事:事故物件の掃除は自分でできる?特殊清掃が必要なケースと注意点を解説

共用部分で発見された場合

廊下やエレベーターなどの共用部分で発見された場合は、専有部分(室内)とは扱いが異なり、必ずしも当該住戸が事故物件として扱われるわけではありません。

ただし、同じ建物内で発生した事実が心理的な影響を与える可能性はあるため、状況によっては売却時の説明や配慮が求められることもあります。

発生場所や経緯に応じて、個別に判断される点がポイントです。

発見が早いケースと遅いケースの違い

孤独死が事故物件として扱われるかどうかは、発見までの時間によっても大きく変わります。発見が早い場合は、室内の損傷や影響が軽微で済むことが多く、心理的瑕疵も比較的軽いと判断される傾向があります。

一方、発見が遅れた場合は、においや体液による汚損などで特殊清掃や大規模な修繕が必要になるケースが比較的多く、事故物件としての影響が強くなりやすいのが実情です。

この違いが、告知義務の内容や売却価格にも大きく影響します。

マンション売却時の告知義務はどこまで必要?

国土交通省の外観

買主の判断に影響する事実については告知が必要とされますが、その範囲はケースによって異なります。特に近年はガイドラインも整備されており、発生状況や経過期間によって判断基準が示されています。

ここでは、告知義務の基本的な考え方と具体的な判断ポイントを確認していきましょう。

2021年国交省ガイドラインの考え方

2021年に公表された国土交通省のガイドラインでは、「人の死=すべて告知が必要」という考え方ではなく、買主の判断にどれだけ影響するかを基準に整理されました。

具体的には、病死や老衰などの自然死、日常生活の中での不慮の事故死については、原則として告知不要とされています。

一方で、自殺や他殺などの事件性があるケースや、孤独死でも発見が遅れて特殊清掃が行われた場合などは、告知が必要となる可能性が高いとされています。

なお、買主から質問があった場合や社会的影響が大きい事案については、期間に関わらず説明が必要とされています。

参考:「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」について|国土交通省

売買と賃貸での違い

賃貸の場合は、2021年のガイドラインにより「おおむね3年」が一つの目安とされており、一定期間が経過すれば告知不要と判断されるケースがあります。

一方、売買には明確な期間の基準がなく、より慎重な対応が求められます。取引金額が大きく、買主の判断への影響も長期に及ぶため、時間が経過していても告知が必要とされるケースが多いのが実情です。

つまり、マンション売却では「経過年数だけで判断しない」ことが重要であり、状況に応じて適切に説明する姿勢が求められます。

関連記事:事故物件の告知義務はどこまで必要?3年ルールと違反時の法的リスクを解説

同フロア・上下階への影響は告知対象か

同フロアや上下階への影響については、原則として直接の発生場所である住戸以外は告知対象になりません。つまり、近隣の部屋で孤独死があった場合、自室の売却時に必ずしも説明が必要ではありません。

ただし、においや汚損が周囲に広がったケースや、建物内で広く認知されている場合などは、買主の判断に影響を与える可能性があります。このような場合は、トラブル防止の観点から説明を検討することも重要です。

管理組合への報告は必要?トラブルを避けるための対応

管理組合のイメージ

マンションで孤独死が発生した場合、管理組合への報告が必要かどうかが気になる方も多いのではないでしょうか。

マンションは共用部分や管理体制を共有しているため、実務的には管理組合や管理会社との連携が重要です。

ここでは、トラブルを避けるために押さえておきたい対応のポイントを見ていきましょう。

法律上の義務はあるのか

結論として、孤独死が発生したことを管理組合へ報告する法的義務は原則ありません。専有部分(室内)で起きた出来事については、所有者の責任範囲とされるためです。

ただし、においや汚損が共用部分に及んだ場合や、設備への影響がある場合は別です。このようなケースでは、管理規約に基づく対応や原状回復の責任が生じる可能性があります。

そのため、法的義務がなくても、実務上は早めに管理会社や管理組合へ相談しておく方がトラブル防止につながります。

管理会社との連携ポイント

孤独死が発生した場合は、早い段階で管理会社と連携することが重要です。特に、共用部分への影響がある場合や、他の住民から問い合わせが入る可能性がある場合は、対応を共有しておくことでトラブルを防ぎやすくなります。

特に特殊清掃の実施タイミングや作業内容、臭気対策、共用部分の使用方法などについては、できるだけ事前に相談しておきましょう。

また、住民対応についても管理会社が窓口になるケースが多いため、情報の伝え方や範囲をすり合わせておくことがポイントです。

こうした連携を取ることで、不要な混乱やクレームを抑えつつ、売却に向けた準備を進めやすくなります。

修繕積立金・管理費の扱い

修繕積立金や管理費については、孤独死が発生した場合でも通常どおり支払い義務が継続します。居住していない期間であっても、区分所有者である限り免除されることはありません。

また、滞納があると売却時に精算が必要となり、手続きがスムーズに進まなくなる可能性があります。買主への引き渡し時には未払い分を解消しておくのが一般的です。

なお、共用部分に汚損や損害が生じた場合は、別途その修繕費用を負担する必要が出るケースもあります。こうした点も含め、事前に管理会社へ確認しておくことが重要です。

マンションで孤独死があった場合の価格下落目安

不動産の模型と電卓

マンションで孤独死が発生した場合、売却価格には一定の影響が出るのが一般的です。ただし、その下落幅は一律ではなく、発見までの期間や室内の状態、清掃・修繕の有無などによって大きく変わります。

ここでは、状況別におおよその価格下落の目安を見ていきましょう。

発見が早かった場合

発見が早かった場合は、室内へのダメージや心理的影響が比較的軽いため、価格への影響が限定的なケースが一般的です。相場としては5〜10%程度の下落が目安となります。

原状回復がほとんど不要なケースや、見た目・臭いへの影響が少ない場合は、通常物件に近い条件で売却できる可能性もあります。

早期発見であればあるほど、売却への影響は抑えやすくなるのが一般的です。

特殊清掃やリフォームが必要な場合

特殊清掃やリフォームが必要な場合は、室内のダメージや心理的影響が大きくなるため、価格下落も大きくなりやすい傾向があります。

特に、においや体液による汚損が広範囲に及んでいるケースでは、原状回復にかかる費用や手間も考慮されるため、最終的には20%以上の下落に及ぶ場合もあります。

長期間発見されなかった場合

長期間発見されなかった場合は、室内の損傷や心理的影響が大きくなるため、価格下落も大きくなりやすいのが一般的です。あくまで目安ですが、相場より20〜30%程度の下落となるケースもあります。

特に、臭いや体液の浸透によって床や壁の下地まで影響が及んでいる場合は、大規模なリフォームが必要になることもあり、買主にとっての負担が大きくなりがちです。結果として、売却価格を大きく調整せざるを得ないケースが多くなります。

マンションの孤独死物件を売却する方法

不動産売買契約書と電卓と印鑑

マンションで孤独死があった場合でも、状況に応じた方法を選べば売却は十分に可能です。ただし、通常物件と同じ進め方では難しいケースもあるため、売却方法の選択が重要です。

ここでは、主な売却方法とそれぞれの特徴を見ていきましょう。

一般仲介で売却する場合

一般仲介で売却する場合は、不動産会社を通じて市場に出し、購入希望者を探します。相場に近い価格で売れる可能性がありますが、事故物件は買い手が見つかるまでに時間がかかる傾向があります。

また、内見時の印象や告知内容の伝え方が、成約に大きく影響する点も特徴です。

そのため、事故物件の取り扱いに慣れている不動産会社を選ぶことが重要です。

事故物件専門の買取業者に依頼する場合

事故物件専門の買取業者に依頼する場合は、業者が直接物件を買い取るため、短期間で売却できるのが大きなメリットです。内見対応や買主探しが不要なため、手間をかけずに現金化しやすい点も特徴です。

一方で、再販を前提とした価格になるため、売却価格は相場より低くなる傾向があります。

ただし、状態が悪い物件や早期に手放したい場合には、有力な選択肢です。

どちらを選ぶべきか判断基準

一般仲介と、事故物件専門の買取業者のどちらを選ぶべきかは、「価格」と「スピード」のどちらを優先するかで判断するのが基本です。

できるだけ高く売りたい場合は一般仲介、早く確実に売却したい場合は買取業者が向いています。

また、物件の状態も重要な判断ポイントです。室内のダメージが軽く需要が見込める場合は仲介でも売却しやすい一方、損傷が大きい場合や心理的ハードルが高い場合は、買取の方が現実的なケースもあります。

迷った場合は、仲介と買取の両方で査定を取り、条件を比較したうえで判断しましょう。

成仏不動産は、事故物件や訳あり物件に特化した専門サービスです。

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売却前にやっておくべき準備

特殊清掃を行う作業員

孤独死があったマンションの成約スピードや価格は、売却前の準備に大きく影響されます。適切に対応しておくことで、買主の不安を軽減し、スムーズな取引につながります。

ここからは、事前に押さえておきたい準備のポイントを見ていきましょう。

特殊清掃・原状回復

売却前は特殊清掃や原状回復を行い、室内の状態を整えておくことが必須です。特に臭いや汚損が残っていると、内見時の印象が大きく下がり、売却が難しくなる原因になります。

必要に応じて、床や壁の張り替えなどのリフォームも検討すると、心理的なハードルをより下げやすくなります。

管理規約の確認

売却前には、マンションの管理規約を確認しておくことも重要です。管理規約ではリフォームや修繕の範囲、共用部分の使用ルールなどが定められているため、事前に把握しておくことでトラブルを防ぎやすくなります。

また、売却時に必要な手続きや提出書類が規約で定められている場合もあるため、管理会社にも相談しながらあらかじめ確認しておきましょう。

必要に応じたご供養

状況によっては、ご供養を検討するのも選択肢のひとつです。心理的な区切りをつける意味合いに加え、買主や関係者への配慮として実施されるケースもあります。

特に、長期間発見されなかった場合や室内の印象が強く残っている場合は、ご供養を行うことで気持ちの整理や物件イメージの改善につながることもあります。

成仏不動産のご供養サービスでは、故人やご先祖だけでなく、土地や建物の供養(お祓い)にも対応しています。

詳細については「事故物件のご供養サービス」をご覧ください。

よくある質問

Q&Aと書かれたブロック

マンションで孤独死があった場合、売却に関してさまざまな疑問や不安が出てくるものです。

ここでは、特によくある質問を紹介します。

同じマンションの他の部屋にも影響はある?

同じマンション内の他の部屋にも、一定の影響が出る可能性はあります。特に同フロアや上下階では、心理的な抵抗感から売却価格や成約スピードに影響が出る可能性が否めません。

ただし、すべての住戸に大きな影響が及ぶわけではなく、発生状況や周知の程度によって差があります。基本的には、影響は限定的な範囲にとどまるのが一般的です。

売却までどのくらいの期間がかかる?

通常の物件であれば、一般仲介の場合で3〜6ヶ月程度が目安ですが、事故物件の場合は1年以上を要する場合もあります。

一方、買取業者に依頼する場合は、条件が合えば数日〜数週間で売却が完了することもあります。

スピードを重視するか、価格を重視するかで適切に判断しましょう。

ローンが残っていても売却できる?

ローンが残っている場合でも、マンションの売却は可能です。ただし、売却時には残債を完済することが前提です。

売却価格でローンを完済できる場合は問題ありませんが、もし売却額が残債を下回る場合は、不足分を自己資金で補う必要があります。状況によっては、金融機関と相談しながら進めるケースもあります。

まとめ|マンションの孤独死物件は「管理対応」が鍵

マンションで孤独死が発生した場合でも、売却は十分に可能です。ただし、戸建てと違い、区分所有という構造や周囲の住民への影響があるため、より慎重な対応が求められます。

特に重要なのは、管理会社や管理組合との連携、そして告知義務への適切な対応です。これらをていねいに進めることで、不要なトラブルを防ぎ、売却をスムーズに進めることができます。

事故物件の売却やご供養を検討している方は、事故物件の取り扱い経験が豊富な当社にご相談ください。

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この記事の監修

宅地建物取引士・相続診断士 有馬まどか

宅地建物取引士・相続診断士 有馬まどか

マークスライフ株式会社 経営企画本部 部長
事故物件や再建築不可物件をはじめとする訳あり物件を専門に取り扱い、相続不動産や空き家に関する情報発信・相談支援に従事。
孤独死や自殺が発生した事故物件現場にも足を運び、特殊清掃や遺品整理、供養立ち合いも経験。
「相続」が「争族」とならないためのアドバイスにも携わる。
NHK「クローズアップ現代」をはじめ、テレビ・Webメディアへの出演・掲載実績多数。

<出演メディア>
・NHK「クローズアップ現代」
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