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コラム - 事故物件買取・売却

自分で事故物件を清掃しても大丈夫?特殊清掃を業者に依頼すべき理由

2023年5月16日

昨今では、高齢者の孤独死や、若者の自殺などが社会問題になっています。貸し出している物件でこのような事件や事故などによって人が亡くなってしまった場合、正しく、そして素早く対処しなければ、不動産価値を大きく下げてしまうおそれがあります。


とはいえ、人が亡くなってしまった物件の清掃の仕方や注意点について、一般的にはあまり知られていません。


ここでは、そんな事故物件を元の状態に戻すための清掃や、遺品整理などの作業を特殊清掃業者に依頼するべき理由について、特殊清掃の内容も交えてまとめていきます。

事故物件の清掃は業者に依頼すべき理由

国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によると、入居者が殺人や自殺などで死亡した場合は、事故物件という扱いになります。

また、老衰などによる孤独死の場合でも、亡くなってから発見に至るまでに時間がかかっている場合には、事故物件として扱われます。

事故物件として扱われた場合には、臭いや汚れの特殊性から、一般のハウスクリーニング業者には断られることも多いでしょう。また、一般的なハウスクリーニングや自力での清掃を行ったとしても、不十分なケースがほとんどです。

そのため、事故物件の清掃は、血液や体液などの汚れや独特な死臭に対して、経験と専門性をもつ特殊清掃業者に依頼する必要があります。

死臭は特殊清掃でなければ消えないため

腐敗臭とも呼ばれる死臭は、遺体の腐敗が原因で発生します。人が亡くなるとおよそ2、3日で腐敗が進み、強烈な腐敗臭を発するようになります。臭いは部屋の空間のみならず、壁や床、家具などにも染みついてしまい、長期間に渡って残るほどのものです。

そのため、市販の消臭剤などでは消すことが出来ません。完全に取り除くためには、専用の脱臭洗剤によって臭いの原因から取り除くことのできる、特殊清掃業者へ依頼する必要があります。

自分で行う清掃は精神的ダメージが大きいため

事故物件の自力清掃を勧めない理由は、臭いや汚れの特殊性だけではありません。自殺や殺人といった、ショックの大きい事象の起きた現場に立ち入ることは、精神的に大きなダメージを受けかねないからです。

孤独死の場合も共通ですが、亡くなった方と親しい間柄であればあるほど、より精神的な負担が懸念されます。また、現場に長くいるほどに事故物件の記憶が長期間残ってしまうため、特殊清掃業者に依頼することで、精神的な負荷を抑えるようにしましょう。

変な噂が広まらないようにするため

事故物件を放置してしまうと、放置期間が長ければ長いほど、当該物件の悪い噂が立つおそれがあります。

特殊清掃を行ったとしても事故物件となった事実は変わりませんが、早期に特殊清掃を行い、原状回復に努めておくだけでも、その物件に対する周囲の印象は変わるでしょう。

とくに集合住宅の場合には、事故物件を放置し、長期間に渡って適切な処置をしないままでいることで、新たな借主が現れないばかりか、今住んでいる方が退居してしまうという事態も起こり得ます。

悪いイメージを最小限に留め、入居者を守るためにも、早めに特殊清掃を実施しましょう。

隣人に迷惑をかけないため

事故物件を放置してしまうと、悪い噂だけでなく、独特な臭いによる苦情が出てしまうこともあります。

遺体から発せられる死臭は、自力での清掃や一般的なハウスクリーニングでは完全に取り除くことは難しく、特殊清掃をしなければ、壁や床などに染みついてしまった臭いが隣家まで広がってしまいます。

隣人や近隣住民に迷惑をかけないよう、特殊清掃によって、壁や床などに残った臭いの原因を完璧に取り除く必要があります。

建て替えが必要になる可能性があるため

臭いや害虫への専門的対応を行っていないことで、最悪の場合、物件の建て替えが必要になる可能性もあります。

遺体から出る死臭は、特殊清掃をしなければ取り除くことは出来ず、また死臭はハエやウジといった害虫が湧く原因にもなります。

害虫は腐敗している場所で増殖し、さらに悪臭の原因となって、住宅全体に被害が広がります。そのため、床や壁といった部屋の改装では収まらずに、建て替えなければ住めない状態になってしまいます。

一部の床や壁の張り替えや、トイレや浴槽などの住宅設備の解体程度であれば、リフォームで済むでしょう。しかし、建て替えとなると莫大な費用が必要になるため、事故物件となってしまった場合には早急に特殊清掃に依頼しましょう。

特殊清掃業者に依頼する流れ

特殊清掃が必要な物件の場合、警察への連絡や特殊清掃の作業内容確認など、通常あまり生じない手順を踏む必要があります。事故物件への対応が必要になったとき、焦らずに対応できるよう、簡単に手順を紹介します。


ステップ1:警察に通報する


事件や事故、孤独死といった遺体を発見したときは、まず警察に通報し、正しく現状を把握しましょう。


遺体を発見してしまうと、冷静な判断が出来ないことも十分考えられるでしょう。しかし一度冷静になり、警察に現場を確認してもらうことで、事故なのか事件なのかを把握することが重要です。


ステップ2:特殊清掃業者に連絡する


警察による現場検証の終了後、すぐに動けるように、事前に特殊清掃業者に依頼しましょう。早期に対応することで、臭いや害虫はもちろん、物件の悪評を最小限に抑えることにもつながります。


ステップ3:見積もりを出してもらう


警察による現場検証が終わったら、実際に特殊清掃業者を呼んで、現場を確認してもらいましょう。特殊清掃を行う前に、現場の状態と状況を業者にじかに見てもらい、特殊清掃の内容や範囲を確認したうえで、見積もりを出してもらう必要があります。


特殊清掃業者のなかには、メールや電話での相談に加えて、見積もりも無料で出してくれる業者もあります。まずは早急に複数社で見積もりを取り、費用の相場把握はもちろん、特殊清掃の内容も不足なく行えるよう業者の選定を進めましょう。


ステップ4:清掃を開始してもらう


見積もりの費用、内容ともに確認が取れ次第、契約を交わして特殊清掃を進めてもらいます。


汚れや臭いの状態によって、解体やリフォームの必要も生じます。清掃が終わった段階で部屋を再度貸し出す場合、可能な限り部屋を綺麗にする必要があるため、床や壁だけでなく、備え付けられた住宅設備の状態も確認してもらいましょう。


ステップ5:現場に立ち会う


すべての作業完了後、立ち合いで現場を確認します。見積もりどおりの作業が完了しているか、また臭いや汚れが残っていないかなどを確認し、終了となります。

特殊清掃業者を選ぶポイント

汚れや臭いの特殊性から、一般的なハウスクリーニングとは大きく異なり、特殊な知識や技術をもつのが特殊清掃業者です。特殊清掃業者の数は多く、そのなかからより希望に応えてくれる業者を選定する必要があります。

とはいえ、汚れや臭いを完璧に除去するため、また近隣住民への配慮という観点からも素早く依頼する必要があります。ここからは、業者選定における着目ポイントを紹介します。

豊富な実績

特殊清掃は、血液や体液といった特殊な汚れや臭いに対応する必要があることから、知識はもちろん、経験値が必要な作業が多くあります。そのため、業者を選定する際には、より多くの実績を積んでいる業者を選ぶようにしましょう。

業者のホームページには、過去に実施した作業実績や事例について、費用や人員、時間なども交えて紹介しているところも多数あります。そちらを参考にすることで、より経験豊富な業者を選ぶことが可能です。

専門家の在籍

もともと特殊な作業を必要とする特殊清掃業者ですが、必要な資格を保有している人材が在籍しているかどうかも業者を選ぶポイントです。

たとえば、一般社団法人の『事件現場特殊清掃センター』が認定している特殊清掃士は、特殊清掃に関して専門の講習を受けたうえで、知識や技能を習得していることから、任せて安心できる資格といえます。

そのほか、現場から出る不用品の処理に関わる一般廃棄物収集運搬業の許可や、現場の解体に必要な解体工事業登録などの資格を有しているかも確認しておきましょう。

無料見積もり

ひと口に特殊清掃と言っても、かかる費用は清掃業者によって変わってきます。とはいえ、作業内容の特殊性から、1社から見積もりを取っただけでは、費用はもちろん作業内容が適正なものなのかが判断できません。

そのため、正確な判断をするためにも相見積もりを取る必要があります。さらに多くの情報を集めるためには、無料で見積もりを出してもらえるかどうかも重要な要素のひとつです。

明確な料金体系

業者の選定では、見積もりの明確さも重要です。特殊清掃では、業者が実際に現場を見て見積もりを出しますが、作業内容や範囲など項目が不明確な見積もりを出す業者の場合、あとから追加作業による追加料金を請求されることもあります。

作業の内容や、依頼内容に対する過不足がある場合はもちろんですが、不明な点があるときにもすべてがクリアになるまで依頼をしないよう、注意が必要です。

いっぽうで、見積もりの項目が作業ごとに分けられ、それぞれに明確な価格の記載があるなど、料金体系が分かりやすい見積もりの業者であれば、信用できる業者と考えてよいでしょう。

サポート体制

保有している物件が事故物件となってしまった際、所有者は不安の尽きない状況にあると言えます。また、遺体の発見が遅れてしまった場合など、早急に対応しなければ汚れや臭いの除去が困難となるケースもあり、業者には素早い対応が求められます。

見積もりの明確さや丁寧さももちろんですが、スピーディーな対応で問題の早期解決の手助けをしてくれる業者であることも、業者選定の重要な要素です。

まとめ

ここでは、事故物件となってしまった場合の特殊清掃の必要性や、その作業内容についてまとめてきました。

血液や体液といった、普段は触れることのない汚れや臭いの対処が必要なだけに、専門性を持った特殊清掃業者でなければ正しい対応は困難です。

ただし、費用面はもちろん、実施できる作業やサービスには業者ごとに差もあるため、まずは無料の相談から見積もりを取り、より希望を叶えてくれる業者を選定することが重要です。

近隣住民や新たに入居する方のためにも、事故物件になってしまった場合には、早急に特殊清掃業者へ依頼し、原状回復を行いましょう。

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