お電話での無料相談 0120-917-974 受付時間/9:00〜20:00 定休日/水曜日 他社との比較などまずはこちら 安心の無料査定 メール24時間365日対応 お手軽に相談したい方 安心の無料査定 ライン24時間365日対応
MENU CLOSE
事故物件買取・売却

孤独死のあった賃貸物件を売却する際の注意点は?ご供養の必要性も解説

2023年4月6日

賃貸物件を持っている人であれば、誰にでも訪れる機会があるのが、孤独死の対応です。近年、一人暮らしの高齢者が増えており、孤独死をする方の数が増えています。孤独死は遺体の発見まで時間がかかることが多く、腐食が進むと物件にダメージを与えてしまい、復旧が難しくなります。

この記事では、孤独死のあった物件を売却する際の注意点を解説します。ご供養をする必要があるのかについても言及しているので、ぜひ参考にしてください。

孤独死は事故物件に該当する?

近年増えている孤独死ですが、孤独死が発生した物件は事故物件に該当してしまうのでしょうか?孤独死した遺体を発見するまでのスピードによって、事故物件になるかどうかが決まると言われています。事故物件と判定されるかどうかのラインは、以下のように分かれます。

・事故物件と判定される可能性が高いケース
他殺、自殺、不審死、火災、長期間に渡って発見されなかった孤独死

・事故物件にならないケース
病死、老衰、転倒・転落など日常的な事象による事故死

また、事故物件になるかどうかの基準は、物件に住む方が不快に感じるかどうかです。建物の中で、人が亡くなったり、火災が起こった場合、この物件には住みたくない、買いたくないという心理状態が働いてしまいます。

このような状況を心理的瑕疵(しんりてきかし)といいます。物件に心理的瑕疵がある場合は、買主が現れた際に必ず伝えなければなりません。これを告知義務といいます。

つまり、事故物件とは、告知義務を必要とする物件のことです。

孤独死の発見が早かった場合

そもそも、全ての死が心理的瑕疵に該当するわけではありません。いつか死を迎える人間の死を全て心理的瑕疵に当てはめてしまっては、物件全てが事故物件になってしまいます。

孤独死の場合でも、発見が早ければ事故物件にならないことが多いです。息を引き取ってからそれほど時間が経っていなければ、自然死として扱われます。

孤独死の発見が遅かった場合

孤独死を迎えてからある程度の時間が経って、遺体が腐敗してしまうと事故物件と判断されてしまいます。物件に汚れ、悪臭が残ってしまうからです。告知義務があるので、購入を検討している方に説明しなければなりませんし、売却額は通常の物件と比べて安くなってしまいます。

事件性がないので、売れないことはないのですが、売却の仕方を検討しなければなりません。

孤独死のあった物件を売却する際の注意点

ここでは、孤独死のあった物件を売却する際の注意点を4つ解説します。以下のポイントを押さえておかないと、トラブルに繋がる可能性があるため、必ず見ておきましょう。

・特殊清掃を済ませておく
・遺品整理を済ませておく
・状況に応じてご供養をする
・告知義務を果たす

特殊清掃を済ませておくこと

腐敗した遺体から発生する汚れや臭いは、一般的な清掃方法では取りきれません。とくに、体液・血液が床や壁に染み込むと、建物の骨組みにまで汚れが付着してしまいます。そのような場合は、一部だけ撤去したり、特殊な洗浄液を使って清掃したりする必要があります。この作業が特殊清掃です。

特殊清掃には防護服や防護マスク、清掃機材が必要になります。また、生活感のある部屋を掃除していると、精神的なダメージも少なからず負うことになるため、個人で行うのは難しいです。特殊清掃の専門業者に依頼しましょう。

遺品整理を済ませておくこと

特殊清掃をするにも、売却するにも、孤独死をした方の遺品整理が必要です。遺族に連絡を取って、遺品の整理を行いましょう。

もし、亡くなった方に相続人がいない場合は、相続財産管理人の選任申し立てが必要です。物件の管理人が勝手に遺品を処分してはいけません。相続財産管理人は家庭裁判所によって選任され、遺品調査を行います。

状況に応じてご供養をすること

孤独死は遺体が早期に発見されれば心理的瑕疵に該当せず、事故物件ではないと判断されますが、場合によっては強い思いを抱いたまま亡くなった場合もあります。とくに、一人暮らしの高齢者は社会から隔絶され、誰とも関わらないまま亡くなることがあるため、強烈な孤立を感じていたのかもしれません。

事故物件はご供養をするのが慣例ですが、事故物件ではない場合も不安な方はご供養をしておくことをおすすめします。ご供養に法的義務はありませんが、買主が比較的安心して購入できるようになります。ただ、ご供養をしても告知義務はなくならないため、覚えておきましょう。

ご供養をするタイミングとしては、特殊清掃の前かリフォーム後が一般的です。ご供養を頼む際は、寺、もしくは神社(お祓いを依頼する場合)に出向くか、電話でお願いしましょう。

告知義務を果たすこと

孤独死のあった物件が心理的瑕疵に該当する場合は、告知義務が発生します。入居後のトラブルを防ぐために、前もって申告しておきましょう。

孤独死が発生して心理的瑕疵と判断された事実を説明せず、トラブルになった場合は慰謝料や引越し代を請求されることがあります。

告知義務が発生する期間としては、賃貸の場合は3年が目安になります。

孤独死のあった物件の価格への影響

孤独死が発生した物件は、少なからず価格に影響が出ます。ここでは、遺体が腐敗している場合とそうでない場合で、どの程度売却価格に差が出るのか比較するので、参考にしてください。

遺体が腐敗していない場合

孤独死した遺体が早期に発見され腐敗していない場合は、そこまで売却価格に影響は出ません。値下げが発生したとしても5%ほどです。とくに、気温が低く遺体が損傷しづらい冬場は物件へのダメージが出にくく、売却価格の低下を抑えられます。

最寄駅が近い、都心へのアクセスが良い、築年数が新しいといった好条件の物件はすぐに買い手が現れるでしょう。遺体の損傷が少なく、物件へのダメージがない、かつ物件の需要が高い場合は、値下げせずに売却できる可能性があるでしょう。

遺体が腐敗している場合

遺体が腐敗している場合は、物件へダメージを与えやすく、10%〜20%ほど売却価格が低下する可能性があります。特殊清掃、骨組みの取り替え含めリフォームを行ったとしても物件の価値は下がってしまい、価格の低下が顕著です。

内装を綺麗にしたところで、長い間ここに遺体があったという事実は消えません。遺体のあった部屋が2階以上であれば、下の階の住人からしてみると、放置された遺体から体液が下の階に滴っているかもしれないという思い込みもするでしょう。また、特殊清掃、リフォームの経費がかかるため、結果的に価値の低下以上に出費が見込まれます。

物件の需要が高くても低くても、売却価格の低下は避けられないので注意しましょう。

孤独死を防ぐためにはどうすればよいのか

高齢化が進む現代では、孤独死の発生率も増えています。孤独死を防ぐには、家族と一緒に暮らすのが最善の予防策ですが、熟年離婚や配偶者との死別など、それが叶わない場合もあります。では、孤独死を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか?

ここでは、以下6つのポイントについて解説します。

地域の孤独死防止対策を把握する

まずは、地域の孤独死防止対策を把握しましょう。孤独死は現代でかなり注目を集めており、国をあげた対策が行われています。自治体はもちろん、企業、NPO、ボランティア、集合住宅といったさまざまな組織・団体で孤独死防止対策が行われています。

たとえば、自治体と連携した民間業者の見守り活動や、水道、ガス、電気などのライフラインを扱う業者が滞納等の異変を感じた時に通報をする、郵便受けに新聞やチラシが溜まると確認の連絡がいくなど、幅広い孤独死防止策が行われているので、所属する自治体に確認してみましょう。

地域の人たちと関わりを持たせる

孤独死を防ぐためには、地域をあげて交流の機会を持つのが重要です。1人暮らしの高齢者が増えているなかで、1人1人のケアをするのは非常に困難です。だからこそ、地域でイベントや交流会といった共同作業、地域活動に参画することで、孤独死の発生リスクを抑えられます。

地域活動で相互の関係性を深めておくことで、連絡もなしに活動を休む、数日活動に来ないといった異変に気付きやすくなり、万が一の事態に備えられます。外出した時の軽い挨拶など、毎日誰かと1回は話せる環境づくりが重要です。

定期的に入居者の状況を確認する

孤独死を防ぐためには、定期的な見回りをして入居者の状況を確認するのがポイントです。クリーニング、食事、日用品、介護など、日本にはさまざまな訪問サービスがあります。

これらの見回りサービスと自治体が連携していると、何かあった時に異変に気づいて通報してくれます。死を考えた時に異変を早期発見してもらえるので、訪問サービスの利用を検討しましょう。

見守り家電を利用する

遠く離れていても、ビデオ通話で元気な姿を確認できます。メールや電話での定期的な連絡でも良いでしょう。しかし、電子機器の扱いに疎い高齢者の場合は、連絡が難しくなります。家族が遠方に住んでいて、なかなか会いに行けない時は、見守り家電を設置して利用してもらうのがおすすめです。

見守り家電とは、ただ通話をするだけの家電ではなく、利用記録を家族に定期送信することで、無事に生活していることがわかるようになっています。

見守り家電には、電気ポットやテレビ、ロボット式掃除機、電球・電気、冷蔵庫などさまざまな種類があるので、よく利用する家電をプレゼントして、離れていても元気に生活していることを確かめましょう。利用頻度の高い家電であれば生活リズムを把握できる他、高齢者の負担になりにくいです。

ホームセキュリティを利用する

セキュリティ会社と契約して、ホームセキュリティを導入するのも、有効な対策手段です。現代では、人が生きていくうえで、電気・ガス・水道を使うのは当たり前になっています。

これらのライフラインの利用が何日も止まっていたり、あまりにも長期間支払いが滞っている場合は、セキュリティ会社に連絡がいき、安否を確認が可能です。

ホームセキュリティは企業の展開するサービスなので、利用料金がかかってしまう点は把握しておきましょう。

孤独死のあった物件の売却方法

孤独死が派生した物件は、どのような方法で売却すれば良いのでしょうか?ここでは、不動産仲介会社を利用して一般の方に売却する方法と、専門業者に買取を依頼する方法の2つを解説します。

一般の方への売却(仲介)

孤独死が発生した物件でも、遺体がすぐに発見された場合は、一般的な仲介で売却できます。多少遺体の発見が遅れて心理的瑕疵と判定され、事故物件になったとしても、売値を下げれば売却可能です。

仲介業者に買い取ってもらうと、相場価格とほぼ変わらない値段で売れる点がメリットです。価格重視で、少しでも高く売りたいと考えている方は、仲介がおすすめです。

ただし、確実に売れる保証はありません。一般向けに物件を売り出すことになるため、需要がなければ買い手は現れないのです。すぐに物件を売ってお金が欲しい方には向いていないため、注意しましょう。

専門業者(買取)

スピード重視で、すぐに現金化したい方や、売却期限までに売りたい方、仲介業者ではなかなか買い手が付かず、売れ残ってしまった場合は、専門業者での買取を依頼しましょう。

一般には売却せず、不動産会社に買ってもらうことで、確実に物件を買い取ってくれます。一般の購入希望者を募集するには広告や宣伝が必要ですが、買取業者ならそれらの手間は一切かかりません。事故物件専門の買取業者もあり、高い確率で買い取ってもらえるため、利用を検討してみましょう。

一方で、売却価格は仲介業者を利用するよりも下がってしまいます。目安としては相場価格の7割程度です。

少しでも高く買い取ってもらいたい方は、複数の買取業者に見積もりを出して、売却価格の高い店を選びましょう。

まとめ

孤独死のあった物件では、遺体の発見されるスピードによって事故物件になるかが大きく左右されます。事故物件と判定されても売却は可能です。ただし、下記4つの注意点を把握しておきましょう。

・特殊清掃を済ませておく
・遺品整理を済ませておく
・状況に応じてご供養をする
・告知義務を果たす

また、孤独死を防止する対策も重要です。地域の孤独死防止対策をして、交流を持ってもらう、ホームセキュリティや見守り家電を導入して定期的に入居者の状況を確認するといった対策が有効です。

孤独死が発生した物件を売却するには、仲介業者を利用する方法と、買取業者を利用する方法の2つがあります。少しでも高く売りたい方は仲介業者を、スピード重視で確実に売りたい方は買取業者を利用しましょう。

記事監修
山村法律事務所 
代表弁護士 山村暢彦
専門は不動産法務、相続分野。実家の不動産トラブルをきっかけに弁護士を志し、現在も不動産法務に注力する。日々業務に励む中で「法律トラブルは、悪くなっても気づかない」という想いが強くなり、昨今では、FMラジオ出演、セミナー講師等にも力を入れ、不動産トラブルを減らすため、情報発信も積極的に行っている。

事故物件のお役立ちコラム一覧に戻る 孤独死物件の買取はこちら
かんたん30秒!今すぐ無料査定を依頼する