【山村弁護士執筆】再建築不可物件と不動産投資について
※本記事は、山村法律事務所の山村暢彦弁護士の書き下ろしによるものです。
再建築不可物件の不動産投資について
再建築不可物件とは建築基準法等の理由から、現在の建築物を解体した後に新たな建物を築造できない物件のことです。
再建築不可物件はデメリットがクローズアップされがちなですが、不動産投資の対象となる場合もあります。
再建築不可物件にはどのような投資上のメリットがあるのでしょうか。
再建築不可物件に不動産投資するメリット
再建築不可物件に投資するメリットとしては以下のポイントが挙げられます。
不動産の価格が安い
再建築不可物件は物件価格等の初期投資を安く抑えることが可能です。
現状のままでは再建築できず不動産としての利用価値は低いため、周辺の物件相場よりも安く購入できる場合があります。
不動産投資では、初期投資を抑えることで利回りの確保にも繋がるため、この点はメリットと言えるでしょう。
固定資産税が安い
再建築不可物件は資産性の低さから、固定資産税が安いという特徴があります。
ランニングコストを安く抑えることで上記と同様に高い利回りが期待できるでしょう。
再建築不可物件は、再建築できないことによって、物件自体の価格が低いですが、賃料は近隣相場と変わりなく設定できることがほとんどです。そのため、再建築不可物件を購入し、綺麗にリフォームして賃貸に出す、という投資戦略もあり得るところです。
再建築不可物件に不動産投資するデメリット
再建築不可物件への投資はデメリットもあります。
新たに建物を再建築はできない
再建築不可物件は建物を立て直すことができません。投資物件として長期間の保有が想定されますが、物件の劣化に対してはリフォーム、リノベーションで対応することになります。
そのため、災害によってリフォーム等で対応が難しいほどに損壊した場合でも再築できないという点は注意が必要でしょう。
ローン審査が通らない、担保価値がない
再建築不可物件は安く購入できますが、その分資産性が低い不動産です。
そのため担保価値も低くローン審査が通りにくいという側面もあります。
自己資金をしっかりと準備するなど対応が必要でしょう。
買い手が付きにくい、活用しづらい
賃借による賃料でのインカムゲインで投資を回収するのであれば、大きく影響はしませんが、売却益によるキャピタルゲインを視野にいれた運用を検討している場合は注意が必要です。
再建築不可物件は活用の範囲が限定されているため、買い手が付きにくいとされています。
簡単に買い手が見つからないことも想定して、投資を行う必要があるでしょう。
山村法律事務所
代表弁護士 山村 暢彦
弁護士 山村暢彦
山村法律事務所 代表弁護士
専門は不動産法務、相続分野。実家の不動産トラブルをきっかけに弁護士を志し、現在も不動産法務に注力する。日々業務に励む中で「法律トラブルは、悪くなっても気づかない」という想いが強くなり、昨今では、FMラジオ出演、セミナー講師等にも力を入れ、不動産トラブルを減らすため、情報発信も積極的に行っている。
クライアントからは「相談しやすい」「いい意味で、弁護士らしくない」とのコメントが多い。不動産・相続のトラブルについて、自分ごとのように解決策を提案できることが何よりの喜び。
さらに不動産・相続法務に特化した業務に注力するため、2020年4月1日、不動産・相続専門事務所として山村法律事務所を開設。
山村法律事務所
神奈川県横浜市中区本町3丁目24-2 ニュー本町ビル5階C号室
電話番号 045-211-4275
https://fudousan-lawyer.jp/